新型コロナウイルスが中古車業界に与えた影響

2020年1月から始まった新型コロナウイルス(以下、コロナ)との闘いは、もう3年目を迎えています…

このコロナ騒動では、大きく分けて「早く5類にして以前の生活を!という派」と「自粛派」とがいると思います。色々な意見があるとは思いますが、なるべく中立の立場でお伝えをさせて頂きます。(個人的には私はかなり以前の様に戻したい派です(笑))

今回は、2020年3月頃から始まった第1波から第7波のコロナの波が中古車市場にどれだけの影響を与えたのかを振り返ってみようと思います。

第1波(2020年3月〜5月頃)〜最初のコロナが意識されてからの中古車の流れは酷いものでした。緊急事態宣言が発表されて、これからどうなっていくのだろう?と不安になった記憶はまだ新しいと思います。飲食店はもちろん、パチンコ店が槍玉に挙げられて、映画館なども閉鎖していました!飛行場もガラガラで、旭川市の国際ターミナルが出来たばかりで、これから!という時にガッカリした思いがあります。

このように全世界の全業種を震撼させたと思いますので、中古車だけのものではないのですが…

誰もいない渋谷のスクランブル交差点

しばらくはお客様のご来店が無くなり、本当に不安でした。

もちろん当店だけではなく、中古車の取引の数はガクンと減りました。人がほとんど出ていなかったので仕方ないですが、業者間の中古車のオークションの取引の勢いも完全に消えていました。

2020年4月頃から数ヶ月間は海外との中古車の取引のつながりも一時は寸断されて、国外に確実に売れるであろうとも言われていた中古車のほとんどは値段を付けるのがとても怖い状況でした。その当時に査定をした車はどこも本当に厳しい査定額を提示していたと思います。もしその時の印象で下取りのお値段の目安を考えている方がいるとしたら、とても勿体無いです。もしご自身のお車の査定額が思った通りではなかったとしたら、査定をした時期の状況をしっかり調べてみて下さい。その時より距離が走っていても高くなっているかもしれませんね。

第2波(2020年7月〜8月頃)〜この時はGo toトラベルが話題になりましたね。夏休みの帰省には厳しかったけど、Go toトラベルをやるといったチグハグさが話題になりました。比較的落ち着いていた6月には地域ごとに危険度が変わっていて、東京では東京アラートといったイルミネーションがキレイで、逆に外に出る人がいたりして話題になりましたね。

東京アラートで赤く彩られたレインボーブリッジ

車の売上はというと、まだまだ長いトンネルのちょうど真ん中という感じでした。あまり出掛けられないので新しい車を買うというよりは、今回は車検を取って次の機会に乗り換えを検討しようという方が多かったと思います。

車を使用して遊びに行く機会も減ったので、そこにお金を注ぎ込もうという気持ちになれないのは、とてもよく分かります。この年は車検に入れる車の台数が当店の短い歴史(創業平成11年)の中で一番多かったです。

本当にこの生活がいつ終わるんだろうと私自身とても悲観的になっていたのを思い出します。

一つだけ良かったのは、海外向けの車の輸出が戻ってきた事です。距離や年式が古い車も値段が戻ってきたので、この頃あたりからお客様に恥ずかしい金額を提示する様なことは無くなりました。

第3波(2020年11月〜2021年3月頃)〜二回目の緊急事態宣言が出て、お正月の帰省などを控える方がたくさんいて、新幹線や飛行場が年末にも関わらずガラガラだったのを思い出します。飲食店も全て20時に閉めないといけなくて、夜の街はガラ〜んとしていましたね。

人が少ないコロナ禍の新宿

引越し業界の方とその時に話をした記憶だと、新人の採用がないので、若い人からの引っ越しの依頼がない… 会社内の移動も来年以降… 今は引っ越す時期じゃない… 等、様々な方が引っ越すのを諦めていた時期でした。

引っ越す人がいないと言う事は、人の流れがない。せっかくの車業界最大の繁忙期である2月3月も中古車業界は寂しい日が続いていました。我々の本来目標とする半分くらいの台数しか売れなかったです。

また、半導体不足の深刻さも刻一刻と深刻になり、この頃から車種によっては新車が2年待ちなんていうのも珍しくないほどになってきました。

新車が納車されないので、下取りの中古車が発生しません。それによって車の台数が減り中古車の値段はこの頃から一気に上がりました。

下取りの価格が今まで経験をした事がないくらいに上昇しました。その上昇は今でも続いています。(2022年8月現在)

第4波(2021年3月〜2021年4月頃)〜この頃は、蔓延防止等重点措置という政策が取られた時期でもありました。マンボウって何?って最初はみんな思いましたね。私は今でもまん防と緊急事態宣言の差がよく分かりません。緊急事態の方が少し言葉が強いな〜という程度しか分かりません(笑)

イギリスから広まったと言われるアルファ株が猛威を振るって、本当に大変な時期だったのを覚えています。

ロックダウン中のパーティー参加を咎められるジョンソン元大統領

最近大統領を辞めたジョンソン元大統領もロックダウン中にパーティーに行ったりして非難されていたのですが、この時は正直に新しい株を早くに世界に伝えてくれて、この時は個人的にはとても良いリーダーだな〜と感じました。

車業界の波は、半導体不足の深刻さが日に日に増してきて、第3波の時よりも在庫不足に悩まされる様になりました。そのトレンドは緩やかに放ってきましたが、今でも続いています。

世界的なコロナの自粛の影響で働き手が減り、世界の物流が詰まり、半導体以外の物でも流通が遅くなり、様々な分野に影響が出始めていた頃です。

第5波〜2021年7月〜2021年9月頃)〜この時はちょうど東京オリンピック、パラリンピックをやるかやらないかで国民が分断していた時期ですね。結局反対派を振り切って開催をしたオリンピック、パラリンピックは結構な盛り上がりを見せました。

デルタ株がインドから世界に広まり、テレビから見る映像はとてもショッキングで、とても心が痛みました。

寄り添って悲しみを分かち合うインド人女性

車の方はというと、他の業界同様に少しずつコロナに対する慣れが出始めてきた時期では無かったかと思います。コロナ前とまではいかないですが、マスク、パーテーション、手の消毒などをきちんとやっているお店には人が少しずつ戻っていったのがこの頃だと記憶しています。

半導体不足と物流の詰まりはまだまだ解消されていなかったので、本格的な回復にはまだ時間がかかりそうだけど、少しずつですが光が見えてきた感じがしていました。

第6波(2022年1月頃)〜オミクロン株が活発になって、感染者の数はどんどん増えて「またか〜…」とため息が出たのを思い出します。感染者は増え続けて過去最多と何度もTVで言われていたのを思い出します。

ですが、

オミクロン株になってからは、徐々に重症者や死者の数が減ってきて、皆様の心にゆとりが出てきたかのように思います。中古車も2月の中盤頃から中古車の引き合いが強くなっていくのが手に取る様にわかりました。

そんな中で中古車市場最大の繁忙期の3月、当店はやっとコロナ前の水準を超える事が出来ました。

しかしながら、経営はとても難しい状態でした。引き続き半導体不足の関係で新車の納車が遅くて、せっかく需要は旺盛なのに、売る車が構造的に足りなくて勿体無いな〜と感じる日々でした。

普段はあまり当店はオークションからの在庫車仕入れはしないのですが、この頃からあまりにも下取りが取れないので、少し高くても在庫用に何台か仕入れをしないといけなくなりました。

第7波(2022年6月〜)〜これは正に今なんですが、もう皆様も感じている事と思いますが、新規感染者の数は過去最多となっていはいますが、あまり中古車の売買には影響はありません。皆様が結構マスク生活に慣れてきて、感染予防をしながらご来店をいただけるので、とてもありがたい事です!まだまだ私達も他の車屋さんの経営は綱渡り感がすごいですが、何とかコロナ前の正常に戻るイメージが湧いてくる今日この頃です。

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